Twitterのお願い聞きます企画でリクエスト頂いた(笑)「螢が暁人に犯されてるところが読みたい(初期の容赦ないバージョン)」のお題で書きました。
原作では監禁前に螢が犯されたのは三回なので(多分)こんな場面は無いんですが、あったということでお願いします。ほんと〜〜に無理矢理部分だけで起承転結はないです。3000字弱。
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まけない。
今日はまけない──絶対に。
決意は固いけれど、男からの呼び出しに応じて動く脚は、鉛を括りつけられたように重い。負ける、負けないの問題じゃない。行かなければいいじゃないか、全部バレたって大丈夫。だって僕は被害者なんだから。あの恥ずかしい動画を見れば誰だって分かる筈、誰だって──。
『や……嫌、あ……あ、ン』
消去した動画の僕が、鮮明に蘇る。
だらしなく開いた口から、つ、と滴ってたのは、唾液。うっすら開いた瞳にあったのは、……快楽。
──ちがうちがうちがう!
嫌だった、僕は、絶対に嫌だった。
首を振って画像を、記憶を振り払おうとするけど、一旦脳に貼りついた僕は消えない。
そして僕はまた、大きな腕に、引っ張り込まれる。
狂暴なエンジン音と裏腹に、全身が包み込まれるようなシートで僕は、ひたすら身を、縮めていた。
──今日は、負けない──
家を出た時の決意は既に、右隣りで気だるげにハンドルを握る男の存在感に、吹き飛ばされてしまっていた。
「──あッ……! あ!」
例の部屋に着くなり、何もしてないのに、乱暴にベッドに放り出された。それから──。
「う……!」
いきなり喉元を締め上げられ、平手で殴られた。男の顏は、逆光で分からない。けれど、眉間に刻まれた皺だけは分かる。最悪だ、男は今日、機嫌が悪い。
「……やっぱり気に入らねえなあ……この髪」
喉から離れた手が、僕の髪を鷲摑みにした。男らしくなろうと短く切ったその後呼び出された時は、鼻で笑われ「可愛い」と言われたのに──。
バシン、と返す手の甲で殴られた。
頬がじんじん、熱を持つ。痛いよりも、怖くて、ただ怖くて、僕は謝り続ける。
ごめんなさい、ごめんなさい。
塩辛い涙を舐めながら、僕は頭を抱え、痛みから逃れようとする。でも、そんなことさえ、今日の男は許してくれない。髪を掴んだまま、また右、左と頬をぶたれ、そのままベッドに押し倒された。
Tシャツが乱暴に首から引き抜かれ、ボタンとジッパーを下ろされたズボンは、半ば蹴るように、パンツごと脚で脱がされた。
裸にされた僕は、元から小柄な身体をさらに小さく縮め、震えることしか出来ない。怖い、嫌だ、怖い──助けて。
助けて、たすけてたすけて。
でも、誰の顏も浮かばない。涙でいっぱいの僕の視界が映すのは、苛立った男の姿だけ。
「ごめん……なさ……」
それしか言えなくて謝れば、チ、と舌打ちをされ、腹をしたたかに殴られた。喉からぐ、とくぐもった悲鳴が漏れ、僕は丸まって激しく咳き込んだ。
「煩せえんだよ、さっきから……! とっとと脚開けよエロガキが」
「……は、あ!」
ハイ、を言う間も無く遅いとまた蹴られ、恐怖で強張った僕の脚は、男の凶暴な腕で拡げられた。膝を割られ、この間のレイプで傷んだ尻の穴に、太い指をねじ込まれる。傷が開く痛みに耐えられず叫べば、また容赦ない平手が飛んで来る。
「う、うう……っ」
涙と共に嗚咽を上げれば、喉の奥まで、Tシャツを突っ込まれた。みるみるそれは唾液でべしょべしょになり、生理的に吐き出そうとすれば、尻を嬲られながら、片方の手で首を絞められた。
「ん、ううう!」
孔を三本の指が乱暴に出入りする。べろり、と乳首が舐め上げられる。ぎゅうと押し込れるようにされたかと思えば、歯列が食い込む程に噛まれた。
痛い、息が出来ない、苦しい、──のに。
「あ、……ッぅ……ン」
何故だか、本当に分からないけど、僕のソコが、勃ちあがろうとぴくぴく、動いてる。
男が嗤う。悔しい、悔しい。睨みつけたい。でも怖い。痛いのは嫌だ、嗤われるのも嫌。全部嫌、嫌。
ふ、と喉を絞めつけていた手と突っ込まれてたTシャツが消えた途端、僕は滅茶苦茶に暴れた。そんなことしたらどうなるか、分かって無いわけじゃないのに。
「嫌、嫌! いやだあ!」
男の肩を掴み、揺さぶろうとまでした。実際は、抑え込まれてびくともしなかったんだけど。
「ハ……お前、本当に──」
低い声の後、また前髪が掴まれ正面を向かされた。じん、と頭皮が痛み、僕は涙でいっぱいの目で精一杯睨んだ……つもりだったけれど、フン、と嗤われただけだった。
「まあ、それ程悪くないかもな……お前の泣きっ面が良く見える」
カっと頬が耳が、熱くなった。殴られた所の熱を覆うように、男は言葉で、僕の身体を赤く染め上げる。そして、僕に見えるように、男は自らの前を寛げ──ソレを僕の顔に、押し付けた。
「う、ぐ……」
「オラ、ヘタクソ……少しぐらい学べよ? これで何回目だ?」
「う、うう……」
雄臭いモノを唇に押し付けられ、僕は必死で顔を背けようとする。だけど、そうすれば髪が引っこ抜けそうに痛い。
「舌出せ」
「い、」
いや、を言おうとする口に、無理矢理ねじ込まれた。舌を動かせ、唇も使え、と言われる。でも苦しくて、気持ち悪くて。口の中が、塩辛くて。金臭くて。
「……つくづくバカだな、お前は」
諦めたように僕の口からずるりと引き抜かれた性器で、頬を叩かれた。そのまま男の雄が、喉を、胸を掠めながら這い降りて、僕の萎えた性器の上も素通りし、じくじく痛むそこに、あてがわれた。
「あ、い、いや……、」
言った瞬間、貫かれる。
僕は絶叫し、首を振りながら、男の腕を掴んだ。いや、いや、いや、叫んでは咳き込み、また、嫌だと言った。男が腰を打ち付ける音とベッドが軋む音が耳に痛い。男が僕を見下ろし、口の端を上げてニヤと笑うのが悔しくて──一番いやなのは、僕自身だ。ただの人形でいられたらいいのに、なんで、何で僕の身体は、
「やっぱり、お前は尻がイイよなあ……待たせて悪かったな」
「う、ううう……あ、あ!」
感じて、しまってるんだろう。男の屹立に擦られる度、むず痒くて甘いものが、ソコに集まって来る。もっともっと、って、腰までゆら、と浮いて──こんなの、まるで、まるで、……。
──……! 、駄目、だ……、も……。
だめ。
「ん、ア、あ──……! あ!」
僕は背を反らせ、男の腹に自身を擦りつけるようにして、白濁を飛ばしてしまった。
ツンと勃った乳首に、どろりとしたものが触れ、流れ落ちる。気持ち悪いはずなのに、ピクンと鬼頭が動き、だらだらと、また精液を染み出させた。
「良かったか? ン?」
笑いを含んだ声に、僕はぐしゃぐしゃに泣きながら、首を振る。良くない、良くなんかない。
絶対絶対、良くなんかないんだ。
だから、もうやめて。僕で遊ばないで。
男の突き上げに、ゴツ、ゴツ、と頭がヘッドボードにぶつかる。ああ、もっと強くぶつけてくれたらいいのに。そしたらきっと──死ねるから。
僕が死んだら、さすがにコイツだって──。
──え。
ふわ、と腰が引き付けられ、柔らかな羽毛まくらが頭にあてがわれた。大きな手が、乱れた髪をゆったり撫でる。いい子、いい子と、幼い子にするように、優しく、丁寧に。
──気持ち……いい……。
そう思ってしまったことが、今までされた何より一番、悔しかった。
僕は一体いつまで、この男に──。
END
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