ツイッターで仲良くして頂いている西はじめさん(現在鍵アカウントのためID非公開)にえっちな絵を描いて頂いて、それを元に短編を書きました!そしたら西さんがまたそれを漫画にしてくださるという夢のような出来事が起こりましたのでこちらでご紹介させて頂きます!イラスト・小説と合わせて是非ご覧ください!
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タイトル『 2月9日午後10時』
あらすじ
後輩兼恋人の寝室で、
俺はベッドに縛られ視界を奪われて、体を弄ばれている。理由に心当たりは無くも無いけど、こんなことは始めてで。
!小説へ!(冒頭に本当にR18なエッチな絵がばーんと出て来ますのでご注意ください)
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2月9日水曜、午後10時。
ほら、まだ頑張るの?
良い加減謝れば?
畳み掛けてくる声の温度が低い。からだの中をぐちゃぐちゃ動き回る指の形も感触も、知った指と同じで熱いのに、怖くて仕方ない。
視界を塞がれた暗闇の怖さも、からだの自由が奪われた怖さもあるけど、なにより怖いのは、あいつの表情が見えないってこと。
「……、ん、……ぐ、……あぅ! やぁ……」
唐突に中で曲げられて、弱いところを押されて抜き去られ、ずぶりと沈められる。少しでも快楽を絡め取ろうと中がひくひくうごめくのが分かる。「……エロい体」バカにしたような呟きも一段低くて怖いのに、俺の体は感じてる。
怖い、こわいから、何か言って、何か。
「ナカぐずぐず……わかります? 今指増やしたんですけど……緩くて分かんないかな」
そうじゃないよ、そんなんじゃなくて。
「っ……お前、こんなこと……して……もう、……ん、もう、……っ」
「もう? もう、何です?」
また冷たい声に尋ねられる。許さない、会ってやらない、そう言おうとするのに口が動かない。人間、どれだけ辛くても、思ってもないことは言えない。
「あ……っは……くるし……」
「もう、何ですか? 先輩?」
ぐり、と胸に留めつけられたバイブがつままれて押し付けられた。ちいさな先端はもう感覚がないくらい痺れているのに、
──なんで……。
止まない快感に、涙が一筋頬を伝った。カチリ、小さな硬質な音が聞こえて、振動が大きくなる。
「や……っあ! ……ああん、っ……──ああっ」
ビクンと背中が跳ね返る。逃げようとするけど冷たいベッドフレームが邪魔だ。悪魔の指は執拗で、右乳首に留めつけられたピンチを開いて閉じて、を繰り返す。
「っ……ぁ、痛っ…」
細い先端の形は、洗面台の手拭き用に、タオルを吊るしていたものと同じもの。
「は……こっちもまた勃ってきた……SMもいけるんですねえ……」
「っ……う、うっ……く、ちが……」
体を玩具のように遊ばれるのが辛い。挟まれたそこから伝わる快感も痛い。腹の下がもう、
──破裂、する……。
だけどイケない。なんだか分からないものでずっと、性器の根元を圧迫されてる。
「や、やだも……は、は、ずせよ……、これ、……」
「先輩、人に物を頼むときにそれはダメですね……あのバカの高岡だってちゃんと言えますよ」
「っ……外せよ……!」
「……案外頑固なところ、ありますよね……」
声が近くなった。耳に吐息がかかる。ワイシャツが肌に擦れる。五本の指が性器を弄ぶ。握り込んで半端に動かして、染み出す液体を塗り広げる。
「っあ、ぁん……ぁ……」
締め付けられてぐっしょり濡れた先端をチラチラくすぐるのは、あいつが今日締めてたネイビーとオリーブグリーンのレジメンタルタイだ。
──澄ました顔して締めてた……シルクの……、
その横顔が浮かんだ。まっすぐ伸びた背筋、いつでも柔和な笑みを称えた口元。
「お疲れ様です先輩」誠実さと清潔感しか感じられない、透明な声。
こんなこと──突然引き倒して服を剥ぎ取って、縛り付けて好き勝手するようなそんなこと、とてもするように見えない──。
──あ……、また、擦れて……る……。
「恥知らず」その理性の制止を越えて、一筋の激流がほとばしり、そして、
「──いっ──あ、あ……っあ、あ──!」
爪先まで駆け抜けて、視界でたくさんの星がチカチカはぜた。
あまりの激烈さに、口を開いたまま、震えが止まらない。
「……な、に……まの……」
「え、……さっきのタイミングで空イキですか……? もしかしてこれ? これが気持ち良かった? さすがですね」
雄臭くなったタイで頬をペタペタ叩かれた。ふんと鼻で笑われて、頭がかっと熱くなる。でも、緩みきった口を噛み締めようにも力が入らない。
「……う、うぅ……」
「泣きたいのはこっちです。濡れちゃったじゃないですか……先輩、これ、どうしてくれます?」
ほら、と口元に濡れたタイを寄せられ、背けた頬が掴まれた。
「ね、どうしてくれるんですか」
新しい涙が溢れた。悲しい、辛い、どうしてこんなことに。
仲良くやれてると思ってた。
土下座みたいな告白にほだされて、流されるまま始まった関係は思いの外俺に都合が良くて──楽しくて。
「先輩が好きそうな居酒屋見つけましたよ!」その誘いに乗ってべろべろに飲んで、さらにこいつの部屋で飲み直してこのベッドでドロドロになるくらい抱き合ったのは、ついこの間のことなのに。
今夜だって、もっと違う夜になると思ってたのに。
「や……だよ、こん、なの……おれ」
「先輩が悪いんじゃないですか……部長とお食事、良いですねえ。あの店、コース最低五桁らしいですけどご存じでした?」
「……しらないよ……この前資料作るの手伝ったお礼だって……いう、から、……あ、待って──あ!」
唐突に、性器を突き立てられた。
「待たねえよ」
「あ、……っん、あ! は、や、やぁっ……先の、取ってえ……」
苦しいから、また変になるから、泣きながら訴えるけど、あいつは腰を叩きつけてくる。
「……ナカすげえな……部長もこのエロい穴に挿れたいに決まってんだろ……もしかしてアンタも挿れられたいの?」
「そ、んなこと……っ、無い……!」
苦痛から逃れたいから言ってるんじゃない、それだけは誓って、違う。
本当にただ、食事しただけだ。確かにこのところの部長はちょっと変だし、お前との約束の方が先だった、だけど。
「よやくしてるって、言われて……外なら……だいじょぶかなって……それに、お前とは、あ、後で、会えるからって、思ったから……」
「……後回しかよ」
「ちがう、ちがうよ……」
許されるかなって。
「……いつも、やさしいから……だから、」
「……」
「甘えてた…………、部長とサシなんか気詰まりだけど、後で会うって、わかってたら頑張れるから……ごめん、こんな、怒る、なんて……おもわなくて」
ゆるして、呟いた途端後ろ髪が握りしめられて引かれる。
「いっ……」
殴られる……! 目隠しの布の奥で、閉じた瞼に力をこめた。
──……。
けれど、身構えた俺に与えられたのは甘い口づけだけだった。
「んっ……ん」
ちゅ、ちゅ、とついばまれて吐息を交換すれば、涙がまた一筋落ちた。空気が変わった、安堵の涙だ。
結び目を解かれた布がはらりと落ちて、まぶたを開く。そこには、拗ねたような表情のあいつがいた。
「別に怒ってませんけど」
……。
「こういうプレイ、してみたかっただけです。最高にエロくて最高でした」
「──…………!」
絶対嘘だろ──!
そう思ったけど、もういいや。
かちゃりと頭上で小さな音がして、手かせから自由になってすぐ胸に貼り付けられていた玩具に触れてみる。こんなのどこから調達して来たんだか。えっちな動画見すぎなんじゃねえのといつもの様子でからかえば、乱暴にテープを剥がされそこに噛みつかれた。さんざん遊ばれた乳首が歯列に挟まれ舌で押されるけど、それは俺が好きないじられ方。
「あっ……それ、すき……」
「……エロ動画、見てますよ……どんなプレイがあるのかなって。先輩が調子乗るたび試していきますからね──」
戒めを解かれてベッドに放り出され足首が持ち上げられ、アイツの手で再び折り畳まれる。もうここからは、いつも通りだ。
「挿れますよ……」
ごつと後ろにぶつけられたそれが、押し拡げながら侵入する。
「っ……♡ さっきより固い……っ♡……っ、あ、つよ、あ……っん! こんなの、すぐイっちゃ……」
──……あ。
いや違う、忘れてた。俺まだ、アソコ、縛られたままだった。
手を伸ばして外そうとするけど、仕組みが分からない。
無理に外そうとすれば、その努力さえ強烈な刺激で、
「だめ、も、駄目、またくる……! ここ、取れよお……!」
「んー? お願いはどうするんでしたあ?」
「もういいじゃん、取れって、ばか、バカ、ばかぁ……そこ、そこやらあっ……いく──いっちゃ……」
蕩けた声と一緒に唇からつたった唾液が舐めとられた。両胸が掴まれ、やわやわと揉みしだきながら尖りきった乳首がぎゅっと挟まれる。痛い、きもちい、痛い──きもち、良、い……、
「お願いは?」
「っは、あ、……あ、」
「頑固なところ、ありますねえ……」
「……うぅっ……」
「何でそこだけ強情なんですかね……」
「だって……」
──だって俺、先輩だもん!──
本気で言ったのに、あいつは吹き出した。面白い、かわいいって、ムカつく。俺は真剣なのに。
「──あ、取ってくれんの」
「……負けました」
ぎゅっと汗ばんだ体が上から抱かれた。繋がったままのそこが、腰ごと押し付けるようにして擦られる。重いけど、この重さはもう、俺にとっては幸福だ。そのくらいの気持ちはもう、こっちにだってある。
「……すきです……すきです、せんぱい……誰にも盗られたく、無い……」
ベッドをきしませる、切羽詰まった声はかすれてる。結構なことをされたのに、俺はごめん、と呟いて汗ばんだ髪に指を潜らせていた。
服、汚れるよ──一応言ったけど、俺も、抜き差しに合せるて腰を掲げて揺らすのを止められない。濡れたままの中心を握り込むその大きな手のひらの中に、少しも我慢できずに吐き出してしまった。
「俺も、……っ」
夢うつつの体に熱いものが流れ込み、吐息する間もなく二回目が始まった。
「うそ……きゅうけい……」
「無しです」
「……そんなぁ……」
俺明日代休なんで、って身勝手にもほどがある。コッチは普通に勤務なのに。
「嫌ですか」
「……ん、……」
でも、強気には断れない。閉じかけた足を開いて、深く繋がるように、背を反らせていた。
「んっ……、機嫌、直ったか……?」
「相変わらずあざといですねえ……」
「……お前も脱げよ」
「え」
言われて気付いたとばかりの顔をした。
ようやくネクタイをほどいてシャツから逞しい腕を引き抜いたこの後輩のことは、俺だって気に入ってる。顔も、体も……もういらないってぐらい、快感をくれるところも。
──こんな嫉妬深いとは、思わなかったけどな。
気を付けなくちゃ……これからは。
盗られたくないのは、俺だって同じ。
こいつを狙ってる奴は俺なんかよりよっぽど多い。
上手く、やらなきゃ。
「好き──りゅう」
呟きながらくしゃりと髪を乱して耳を噛む。ナカにあるのが固さを増すのがわかる。こいつは下の名前で呼ばれるのに弱いんだ。
「あざといんだよ……アンタ」
その苛立ったような声に、明日は俺も休みだな──そう、思った。
END