Twitter(またか)でケツアゴ100%(@sattonMS01・旧さっとんさん)さんがあまりにも可愛い受けちゃんと設定をかいていらしたので、お話書いていいですかとお尋ねしたところ快くOK頂いたので、短編を書きました。さらに攻めさんのビジュアルは見られますかと図々しくお願いしたところ素晴らしいセリフと設定つきでまたまた投下頂きましたのでそちらもそのまま使わせて頂きました…とっても楽しく書けました。ケツアゴさんいつもありがとうございます…!ケツアゴさんがハピエンがお好きなのでハピエンにしました。先にご本人に読んで頂いたところ「ハピエンです」と断言頂いたのでハピエンです。 <R18>
2020/07/12にケツアゴさんがこの短編にまたまた絵を描いてくださったので、お話の最後に載せました。二人とも泣いてるけどハピエンです。このお話だけだとそう思えないかもしれないですが、時を経るごとに二人の苦悩はそれぞれ昇華され、清々しいまでのハピエンを迎えます。
まずは可愛すぎる受けちゃん&ゲスかっこいい攻めさんのイラストをご覧ください!
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title:初恋は実らないなんて言うけれど。
胸の中心が痛い。中心だけじゃなくて、息するのに使う……えっと、なんだっけ、違う違う、肺ぐらいバカな俺だって知ってる。間違えてお茶とか飲んで、そっち入ったら涙でるぐらいむせるところ……そう、気道。気道一杯に泥詰め込まれて、もう一杯になってるのに、まだ入れようとされてるぐらい痛い。俺どうしたらいいのかな。きっと幸せだろうって、それでも何でもいいやって思って頷いたけど、やっぱり間違えてたのかも。でも、「止める」って言ったら、きっと「それは残念」って言われるだけだ。何ならあの微笑つきで言われて、それで、
──終わり。だ……。
二度とあわない。視線だって、なんだって、あわせてもらえなくなる。
「……やだよお……」
痛い、痛い、痛い。
「うえ……う、……うあああん……! 苦しいよお……!」
俺はみっともなく泣き出した。開かれて固定された脚の間──いわゆるケツの穴に根本まで埋められた、黒いヘンな形のモノがうねるモーター音と、その黒いのがローションをぐしゅぐしゅくちゅくちゅ鳴らす恥ずかしい音を、かき消すぐらいの音量で。
それで、泣きながら空イキして身体を独りで波打たせた。
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「よーへー、よーへーってば!」
彼女の限界のコソコソ声が耳をくすぐっていることと、俺を睨みつける教授に気付いたのは、ほぼ同時だった。
「あ、あの、……何、です……、」
「志田(しだ)。私はこの論理式に共通命題が含まれているとして、AないしはB、またはそのいずれもがトートロジーであることを証明しろと言った。君を指名し、二度言った」
「……う……う、っと……きいて、ませんでした……」
ちなみに、仮に聞いていたとして、答えられたかどうかは分からない。
何度見ても宇宙語にしか見えない「論理式」なるものを前にドモる俺に、必修科目の教授は銀縁眼鏡を光らせる。
「随分余裕だな? この分なら後期試験で君に時間を取られることはあるまい。設問さえも聞かずに頬杖をついていられるのだからな。私の論理に破綻はあるか?」
「……すみません……」
「今の君の回答は論理的に正しくない。私はイエスかノーを尋ねたのだ」
俺は背筋をぴんと但し、破綻は無いと答え、もう一度謝罪して漸く許された。確かに俺は頬杖をついていた。だけど、その後はおっしゃる通りではない。俺の後期は相当ヤバい。前期だって、レポート一つごとにやり直し、前期試験は得点率4割で圧倒的な「不可」だった。それでも単位を落とさずに済んだのは、教授に口頭試問での追試を掛け合ってくれた、この教室内で最も優秀な生徒が居たからだ。
──伊吹(いぶき)が、助けてくれた……。
伊吹は俺のために、教授が出しそうな問いを考えて、それを俺が理解できる言語に言い換えて、俺にも考えさせつつ補って、模範解答を作ってくれた。それも、いかにも俺が考えた風の言葉遣いに変えて、覚えやすくもしてくれて。それでも全然覚えられなくて、一体どれほどの時間を掛けさせたことか。
論理学は本当にヤバかった……というか「伊吹がそれ取るならそれにしよっと」の軽さで取った授業の殆ど全部がその状態だった。ついでに告白すると「伊吹がそこなら俺もそこにしよっと」の軽さで志して、E判定だったにも関わらず入学出来たのも伊吹のフォローのお陰だ。つまり、元々この大学のレベルは俺には高すぎたわけだ。
とは言え、泣いて喜んだ両親や、安くはない学費を「志田家の奇跡を祝うお祝い金」の名目で補ってくれた親戚たちを留年や退学で落胆させたくない。何より、これ以上伊吹に迷惑を掛けたら駄目だ。(って伊吹のかしこい友達にこの前取り囲まれて言われた)
だからせめて、授業はしっかり聞くと決めたんだ──にも関わらず。
後期が始まって、俺はあることに気付いてしまって、気が散りまくっている。
「もしかして叱られたの気にしてんの? 能天気のよーへーらしくないね」
授業が終わり、彼女が腕を絡ませて甘い香りを漂わせて来るけど、散りまくった気は戻って来ない。悲しいことに、俺はすごく残念なタイプのバカだった。何でも考えなさすぎて、気付かなさ過ぎた。
それは、俺の頭レベルと大学が合ってないことだったり(高校もだった)、自分が履修している科目が厳しくて有名なものばかりだったり、そして、今隣に居る彼女……大学入ってすぐぐらいの新歓コンパのノリで付き合うことになった彼女のことを、別に好きでも何でもなかったことだったりした。
いつでもそんなだった俺が唯一自力で気付けたのが「伊吹が好きだ」ってことなのが、また最強にバカだった。それも、とんでもなく前から好きだったのを、俺の誕生日を毎年同様盛大に伊吹に祝われた謎のタイミングで気付いてしまった。とんでもなく前というのは、多分、ギンヤンマを二人して追いかけて伊吹が捕まえて、指に止まらせてた貰った頃からだ。
●組の●●がお前のこと好きらしいぜ、みたいな会話に俺が全く興味をひかれなかったのは、子供っぽかったからじゃない。伊吹を性的な意味も含めて好きだったからだ。逆に●組の●●も●●も伊吹が好きなんだってさ、に心が引っ掻かれたのは、自分の親友が女子に取られたらどうしよう、じゃなかった。あれは、明らかに嫉妬だった。
現に、伊吹を好きと言った●●や●●の名前を、俺は今でも覚えてる。自分のことを好きだったという子の名前はちっとも思い出せないくせに。
伊吹──朝比奈伊吹。そいつはいつでも気付かない俺を助けてくれて、手の届かない場所まで引っ張りあげてくれる優しい幼馴染の名だ。そして念のため言っておくと、伊吹は男だ。めちゃめちゃ男。
俺はほそっこくて、特別チビではないけど、実際の身長や年齢より下に見られがちだ。でも伊吹は逆。身長180センチオーバー、水泳を長いことやってたから胸板が厚くて、肩幅が広い。股下まではちょっと分かんないけど、とりあえずズボンは裾直さないで買ってる。顔立ちは「品が良くて整っている」と誰かが言ったのがぴったりの、優しい性格が黒縁眼鏡の奥の眼と口元に滲み出た、ザ・イケメン──。
「あ、伊吹君!」
ぎく。
彼女の声に振り向くと、さっきの授業で、俺の二列前に座ってた伊吹が居た。
「おつかれ……論理の補習、始めとくか?」
微笑むその腕には、女の子がくっついている。この子は伊吹の通算12人目の彼女、仲邑 絹(なかむら きぬ)さんだ。その名の通り真っ白で、滅茶苦茶美人。伊吹の歴代彼女の中で一番きれいだと思うし、多分、伊吹も一番気に入ってる。それは、あんまり人前でべたべたしたがらない伊吹が、逞しい腕を預けてるのと──彼女の白い細い指の間ごとに自分の指を差し込む……なんて呼ぶのか知んないけど、密着感のあるつなぎ方をしてることからハンダンした。論理的なスイサツであると思われる。
──しんどい。つらい。みてらんない。
俺は補習の申し出は断って、彼女に胸の内を打ち明けてみた。何でそんなことしたのかって? バカだからだよ。
「──ん? え? は?」
彼女は途中からそれしか言わなくなった。それでやっと「あ、相談相手間違えた」って気付いたわけだけど、
「そっか……じゃあ告るしかないね! ガンバレ! よーへー!」
そんな風に焚きつけてこられて逆に、
「ん? え? は?」
を返すことになった。
「……だ、だって、俺男だし、伊吹、彼女いる……ラブラブの……」
「でもさ、言わないとずーっとぐずぐずしちゃうじゃん。潔く振られた方がスッキリすると思うよ!」
確かに……いや、待て待て待て。
「スッキリはするかもだけど、友達でいられなくなんのは……」
と言いつつ、俺は何故か、伊吹をその夜補習名目で呼び出して、告白していた。
「あの……じつは、ずっと、好きで……」
彼女が言った「伊吹君が、そんな器の小さい男だと思う? 自分が取ってない授業の分まで教えてくれてる伊吹君が!」(→取ってない授業まで教わってたの気付いてなかった)の説得力に背を押されたのだ。
だから伊吹が、
「ありがとう……すごく嬉しいよ。でも俺、今の彼女のことすごく大事にしてて……」
と俺を振ったのにも全然ガッカリしなくて済んで、「俺の初恋終わった~」なんて言いつつ晴れやかに両手を挙げて伸びしたぐらいだった。
でも、そこから先が思ってたのと違ってた。
「これからも変わらず友達で居てくれる?」にも、てっきり「勿論」と微笑んでくれるって、確信、してたんだけど。
違ってた。
「──え」
「だから、言った通り。友達では居られない。だって、俺のことそういう目で見てたんだろ? お前と同じクラスになったの小二だから……それからずっと。お前、そう言ったよな? ただ、俺はお前とギンヤンマ追いかけたことは無い」
「……ない……」
「オオヤマトンボならある」
──ああ、そう……。
俺の頭は真っ白だった。あのでかいトンボがギンヤンマでなかったことじゃなく、「友達で居られない」の一言に打ちのめされていて。それで、その後伊吹が「でも」と続けたのに、一も二も無く頷いてしまったんだ。バカだから。
「セフレになる……ってのなら、関係続けてもいいよ」
その眼鏡の奥の、眼光にも気づかずに。
+++
「ン? 滅茶苦茶泣いてんじゃん。どした、ヨウ」
俺を恥ずかしい姿にして置いてけぼりにしたセフレ……ではなく実質「御主人様」が帰って来た。俯いて近付いた顔の、黒縁眼鏡のフレームが涙でびしょびしょの鼻にコツンと当たり、その後で赤い舌が涙を舐め取った。
「痛かった?」
伊吹の大きな手が、その優し気な声色と裏腹に、黒い大人のオモチャをさらに奥まで突っ込んだ。
「あ、あう……っ」
「ン? ああ、届いて無かったか?」
中途半端は辛いもんな、ごめんな。
あくまでも声だけは優しいまま、玩具をぐりぐりと身体の奥に押し込み、捻るようにうごかす。
痛い、痛い。胸が、喉が。
「やっ、あ……あ、あ! や!」
「嫌? ヨウ、今、お前嫌って言ったか?」
ぎくりとして首を振ったけど、伊吹は不服気に口をとがらせ、カチカチ、と手元のコントローラを操作した。その音の数の分、振動が強くなる。
「あ、ッ……あ、あ! あ、っ……い、てない、嫌、て、いってない……!」
「そうか? 聞こえた気がしたんだけどな? 何? 契約解除するか?」
契約解除。
その言葉に、身体の芯が冷えた。
「い、いや、いやだ」
「何がだよ? 主語つけろっていつも言ってるよな? 日本語はムツカシイんだぞ」
ずるりと玩具が引っ張り出される。
「あ、──あ、ッああ!」
その刺激で、俺の背は反り返り、びくんびくんと手足が痙攣するように跳ねた。血管を浮き出させた俺のソコは何も吐き出してない。伊吹に根元をわっかみたいなので留め付けられて、できないようになってるから。
でも、射精よりももっと強い何かに貫かれていた。気持ちよくてたまらないから俺のバカな脳はとろけるけど──涙が、全然止まらない。
「……っ、う……うう……」
また泣き出した俺に、もう伊吹は何も尋ねない。その代わりのしかかってきて、ひくひくしているぽっかり空いた穴に玩具よりでかいチンポを突っ込んだ。コンドームつけてない。また中出しする気だ。それか、顔に掛ける。
「あ、とって……とってよお」
「ああ、嫌なの、コレか……は、はは」
伊吹と知り合って以来見たこと無くて、ここ最近──「セフレになるなら……俺の言うなりになるなら関係を続けてやる、勉強も教える」に頷いて以来しょっちゅう見せる笑みを浮かべた。
「出せないもんな……でもな、これは俺の優しさなんだぜ? ……コッチでイっちゃったらヨウ賢者タイム入るだろ? でもここ締めてたらイきっぱなしで、気持ちいままでいられるだろ? 気持ち良い方がいいじゃん」
涙でいっぱいの視界で、伊吹が眼鏡を取って傍らに置いた。その仕草がこれから始まる激しいセックスを予感させて、瞳からまた、新しい涙がわき出した。
「あ、も……くる、しいよお……」
「もうちょっと、我慢……な? 前みたいなのは、嫌だろ?」
大きな手に頬を包まれて、条件反射で頷いた。嫌だ。嫌だ。
「前みたいに」殴られるのも──今みたいなのも。だからって、それが全部、無くなるのも。
「あ、……あう、あ、ッあ、あ、ン!」
激しい抽送が始まった。ごり、ごりと身体の中が伊吹の大きな亀頭と竿に擦られ、喘ぎ声に汚い濁点が混じりそうになる。でもぐっと耐える。俺がうーうー呻くのを、伊吹は好きじゃない。無理矢理犯しているような気分になって、不快らしい。
「すっげ……すげえわ、この穴……」
そして、伊吹は、だんだん変わっていく。俺が昔から知ってる伊吹じゃなくなっていく。
「あ! あ、いや! 嫌!」
足首を高々と持ち上げられ、穿たれるのが辛くて禁じられた言葉を言えば、容赦なく平手で殴られた。
「嫌だって言うなって……クソ……んだよ……ムカつく……なんでもかんでも俺に押し付けやがって、なあ、ヨウ……分かるだろ、お前なら……ずっと俺のこと見てた、お前なら……」
そして、意味が分からないことを言いながら気が済むまで犯せば、俺のぺたんこの胸に顔を埋めて、ちゅうちゅうと先を吸う。
「なあ、ヨウ……分かって、くれるよな……?」
ごめん、俺、分からないよ。だって、バカなんだもん。
でも、苦しい。
どうしたらいいのか、分からなくて苦しい。こんな風に遊ばれたり殴られたりするのは嫌だ。でも、離れるのはもっと嫌だ。
それに。
「ヨウ、ヨウ……お前だけ」
こんな風に名前を呼ばれて、なのに片手でカチリと俺の性器の戒めを解いて、ゆっくり扱いたりして優しくするから、
「お前だけ。こんなこと許してくれるの、お前だけだよ……ほかのだれにも……できない……」
こんな風に、言うから。
──離れられっこない……。
伊吹の乱れた髪を胸に抱きしめれば、舌先で俺の乳首をくるむようにして、赤ちゃんみたいにそこをちゅうちゅう吸っている。
そのまま眠った伊吹の頬にはどうしてか、涙みたいなものが一筋、流れてた。
意味?
分かんないよ。バカだから。
おしまい
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